不動産投資にかかる税金は? 税金対策になる理由と効果的な物件選び
ざっくり要約
- 不動産投資では、不動産取得税や登録免許税、印紙税、所得税、相続税など、さまざまな税金が課される可能性がある。
- 不動産投資を活用すると、所得税や住民税、相続税、贈与税の負担を軽減できる仕組みがある。
- 資産形成だけでなく、節税効果を得るためにも不動産投資の税金に関する理解が重要。
今回は、不動産投資で課される税金の種類や節税の仕組み、効果的な物件選びのポイントをわかりやすく解説します。
目次
- 不動産投資にかかる税金
- 不動産の購入・新築時にかかる税金
- 運用時にかかる税金
- 売却時にかかる税金
- 贈与・相続時にかかる税金
- 不動産投資で所得税・住民税が節税できる仕組み
- 減価償却費を経費に計上できる
- 赤字が発生したときは損益通算が可能
- 不動産投資が相続税・贈与税の税金対策になる理由
- 不動産の評価額が時価よりも低く算出される
- 小規模宅地等の特例の適用が可能
- 節税効果を高める物件選びのポイント
- 所得税・住民税を節税したい場合
- 相続税・贈与税を節税したい場合
- 【要注意】法改正によるタワマン節税の影響
- まとめ
1. 不動産投資にかかる税金
不動産の購入・新築時にかかる税金
マンションやアパートなどを購入・新築する際、以下の税金が課される可能性があります。
- 不動産取得税: 土地や建物を取得した際に課される税金。
- 登録免許税: 所有権移転登記や抵当権設定登記などにかかる税金。
- 印紙税: 契約書や証書に課される税金。
- 消費税: 建物の取得代金や仲介手数料に課されるが、土地部分は非課税。
- 所得税: 売主が非居住者の場合に源泉徴収が必要。
運用時にかかる税金
投資用不動産を保有している間に発生する税金は以下の通りです。
- 固定資産税・都市計画税: 毎年の所有者に課される税金。
- 所得税・住民税: 家賃収入から必要経費を差し引いた部分に課税される。
- 個人事業税: 一定規模以上の不動産投資に適用。
売却時にかかる税金
不動産を売却した際には以下の税金が発生します。
- 所得税(譲渡所得税)・住民税: 売却益(譲渡所得)に課税される。
- 印紙税: 売買契約書に課税される。
- 登録免許税: 抵当権抹消登記時に課される。
贈与・相続時にかかる税金
不動産を贈与または相続する際には、以下の税金が関係します。
- 贈与税: 贈与された財産が110万円を超えると課税。
- 相続税: 基礎控除額を超える場合に課税。
- 登録免許税: 名義変更時に発生。
2. 不動産投資で所得税・住民税が節税できる仕組み
減価償却費を経費に計上できる
不動産を取得した際の建物部分の費用を、法定耐用年数に応じて毎年少しずつ経費として計上します。これにより、実際の収支が黒字でも帳簿上赤字となるケースがあり、課税所得を減らすことが可能です。
- 木造住宅の耐用年数: 22年
- 鉄筋コンクリート造の耐用年数: 47年
赤字が発生したときは損益通算が可能
帳簿上の赤字を他の所得と相殺することで、所得税や住民税の負担を軽減できます。例えば、不動産所得の赤字を給与所得と相殺することで、課税所得が減少します。
3. 不動産投資が相続税・贈与税の税金対策になる理由
不動産の評価額が時価よりも低く算出される
不動産の相続税評価額は、現金や有価証券に比べて低く算出されるため、相続税や贈与税の負担が軽減される可能性があります。
- 路線価: 土地の評価額は時価の約80%
- 固定資産税評価額: 建物の評価額は再建築価格の50%〜70%
小規模宅地等の特例の適用が可能
一定条件を満たすと、土地の相続税評価額が最大80%減額される特例を利用できます。これにより、相続税負担を大幅に軽減可能です。
4. 節税効果を高める物件選びのポイント
所得税・住民税を節税したい場合
短い耐用年数の物件や中古物件を選ぶことで、減価償却費を多く計上できます。木造アパートなどは特に有効です。
相続税・贈与税を節税したい場合
賃貸物件を選ぶことで評価額を低く抑えられるため、相続税や贈与税の負担を軽減しやすくなります。
5. 【要注意】法改正によるタワマン節税の影響
2024年以降、タワーマンションの評価方法が見直され、相続税評価額が市場価格の60%以上に引き上げられる場合があります。この変更により、従来のタワマン節税効果が低下する可能性があります。
6. まとめ
不動産投資は、資産形成だけでなく節税対策としても有効です。しかし、税金に関する知識が不十分だと、思わぬコスト負担が発生することもあります。正しい知識を持ち、効果的な物件選びを行うことで、不動産投資のメリットを最大限に引き出しましょう。
ライター:角田 拓也 元大手不動産会社管理職。電気工事士・2級FP技能士をはじめ、複数の建築・不動産資格を所持。それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。子育て世帯向けの資産形成、不動産投資初心者向けのライフプラン記事を得意とする。